顧客満足度を上げる電話応対「言葉遣い」について

顧客満足度を上げる電話応対「言葉遣い」について

こんにちは!スタッフの池山です。Cプロデュースが行う応対品質評価やミステリーコールの評価には「言葉遣い」の項目があります。
「相手に失礼のないよう、丁寧な言葉遣いで応対しているか」は、お客様がコールセンターの電話応対の印象を決める上で鍵となる、とても重要なポイントです。顧客満足度を測るようなアンケートの設問に「言葉遣いは好印象でしたか?」といった内容が含まれているケースもよく見かけますよね。
言葉遣いのスキルは、コールセンターで働くオペレーターにとって必須アイテムと言っても過言ではありません。今回の記事では、好印象な言葉遣いについて考えていきたい思います。

マニュアル通りの綺麗な言葉遣いは心に響かない

製品修理の電話受付窓口

私が以前勤めていたコールセンターでSVとして働き始めた当初、お客様からこんなお叱りを受けたことがあります。

お客様:「そんな綺麗な言葉遣いを聞きたくてあなたと話しているんじゃない。」
お客様:「私は同じことしか言わない機械と話すために電話をかけたわけじゃない。」

その企業のコールセンターは、製品の故障や修理を受け付ける窓口だったため、最終的にお客様のご期待に添えないような結果となることも多くありました。そんな時、マニュアル通りの綺麗な言葉遣いで「ご期待に沿えず申し訳ございません。」と言っていたところ、前述したような言葉が返ってきました。

研修で学んだ、意外な「謝り方」

当時、新米SVだった私は、「応対品質向上」や「クレーム対応力向上」のための研修を定期的に受講し、様々な研修で「言葉遣い」について学んでいました。

「正しい言葉遣い」=「敬語を一切間違えず、正しい文法で、綺麗に日本語を話すこと」だと認識していました。

ですが、綺麗な言葉遣いではお客様の怒りが収まらないどころか、気持ちを逆撫でしてしまうようなこともあり、漠然と「怒っているお客様には正しい言葉遣いを使っても効果がないのでは?」と感じていた記憶があります。そんなある日、とあるクレーム対応研修で、講師から伝授されたのは「ヘタレのおじさんの謝り方でお客様にお詫びする」という応対方法でした。

具体的には、下記のような言い方です。
ほんっとに本当にもう何と言ったらいいか・・・」
「何もできなくて情けない限りです
「本当に申し訳ないっっです」

今まで自分が習ってきた、いわゆる「綺麗な言葉遣い」ではない、感情のこもったお詫びの方法を教わり、私はその研修で衝撃を受けました。

心のこもった言葉遣いを意識し顧客の心を掴む

「ヘタレおじさんの謝り方」と聞くと、とても奇抜な方法に聞こえますが、その講師の方が伝えたかったポイントは「お客様のご期待に添えないときには人と人として会話をし、全力でお詫びする」ということでした。

確かにそのお詫びは、綺麗で美しい言葉遣いではなかったのですが、そのお詫びを聞いていると、怒る気持ちが半減し「ここまでつらそうにしているし、怒りすぎたかな。」というような気持ちになりました。お客様のご期待に沿えずお詫びをお伝えするしかないクレーム対応においては、「もういいよ、許してあげるよ。」と思っていただく「心のこもった言葉」を使った言葉遣いが好印象(適切)と言えるかもしれません。つまり、電話応対における好印象な言葉遣いは、時と場合により異なり、状況や心情に合わせて使い分けできているかどうか、単純な言葉の表現だけでなく、声の印象(トーンや大きさなど)も複合的に絡み合う要素として重要になってきます。

「丁寧」だけではなく「共感」と「親近感」が生む売上

この考え方はクレーム対応に限ったことではなく、通信販売のお問い合わせ窓口などの営業力が求められる電話応対の場合も同様です。電話の向こうにいるオペレーターが、ご近所さんや友人のような存在に感じられ「このオペレーターはいい人そうだし、接客してもらったから購入してみようかな。」と、なることもあります。

以前、「健康食品や化粧品を取り扱う会社」のお客様センターにミステリーコールを実施する機会がありました。対応したオペレーターは、商品の成分や使用方法の説明をするだけではなく、ご自身の年齢や肌悩みを私に共有しながら、商品の使用感を教えてくれました。実際には下記のような会話を行いました。

私:「あの、この商品って、既にできてしまった深いシワにもアプローチできますか?」
オペレーター:「こちらの商品の成分は・・・。」と商品概要を説明。
オペレーター:その後「私ね、50代になるのですが、ちりめんジワが気になっていまして。でもこの商品を使用すると翌朝ツルんとした感じで、お肌がピーンとして!パーンと内側から発光してるみたいに・・・」

このように、かしこまった表現ではなく、擬音が多く使用されお肌のハリの状態が簡単にイメージできました。また、私がダイエットサプリに興味を示した際には、

オペレーター:「甘いもの、これがなっかなかやめられないんですよね~」

と、思わずこちらが「そうそう、そうなんですよ~!」と相槌を打ってしまうような、共感したくなる感情をカジュアルな言葉遣いを交えて共有していただきました。私はその電話を切ったあと「職場の先輩に肌やダイエットの悩みを相談したらオススメの商品を教えてもらえた」「良いことを聞いた」という気持ちになり、決して「営業されてる」とは思いませんでした。その結果、私は紹介された商品をプライベートで購入するに至りました。この電話応対がマニュアル通りの丁寧な言葉遣いだけの応対だった場合は、不快に感じることはないものの、購入の後押しにはならなかったと思います。

AIにはできない、日本語ならではの「言葉の力」

ここまで私の実体験をもとに、言葉遣いを好印象にするためには状況に応じて「言葉遣いを調整する」ことが重要であることをお伝えしてきました。

しかし、毎日、何本も何十本も電話をとっているオペレーターにとって、お客様の年齢や人柄、心情、状況に合わせて言葉遣いを調整するということは非常に労力を使うことになります。具体的には、「老若男女が不快に感じない、基本を押さえた丁寧な言葉遣いで話す」というスキルを、相手に合わせて切り替えができるということです。このようなスキルの習得には専門家による研修や、お客様応対に対するマインドの醸成も必要です。言葉遣いのスキルは、「文章で表現できる言葉遣い」と「コミュニケーション力」と、この2つを掛け合わせたものとも言えます。

また最近では、コンタクトセンターにチャットボットを取り入れる企業が増え、電話対応の必要性を議論される場面も多くなってきています。その点から見ると、日本語は、英語などの他の言語に比べ、高コンテクスト(文脈依存度が高い)と言われています。つまり、日本語は前後の文脈や声色から適切な言葉遣いを判断し、相手の心情や状況に合わせ会話するスキルが特に必要な言語ということです。「状況に合わせた言葉選び」においては、2024年の今現在、AIより人間のほうが得意なのではないでしょうか。

最後に

いかがでしたか。一口に「言葉遣い」といっても、良し悪しの定義はさまざまです。言葉遣いを評価する際は言葉自体の丁寧さも重要ですが、お客様の状況や心情に合わせることができているかも大切なポイントになってきます。
Cプロデュースでは、事前の打ち合わせを通して、お問い合わせをいただくお客様の特性やセンターの目指す姿を考慮した上で評価項目を設定します。貴社の目指す姿に合った応対品質評価を実施してみませんか。まずはお気軽にオンライン無料相談からご相談ください。

date :

記事を書いた人

株式会社Cプロデュース 応対品質担当/通信関連のコールセンターにてSV業務、センター運用業務、応対品質改善業務に従事。現在は、経験を活かしミステリーコールや応対品質評価業務をサポート/日本語の美しさを世界に発信すべく、休日はオンラインで外国人へ日本語レッスンを実施中

お気軽にお問い合わせください!

リモートワーク中につき、代表電話が繋がりにくい場合がございます。その場合、恐れ入りますが、お問い合わせフォームまたは、直接担当者の携帯電話(メール)にてご連絡くださいますようお願い申し上げます。

新体制発足のお知らせ

2024.10.01

平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。 株式会社Cプロデュースは、この度、さ …..

Logo
Logo
Logo

30分無料全国対応!/

オンライン無料相談お申込