新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【アウトソーサー編】

新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【アウトソーサー編】

こんにちは。コンサルタントの山北です。
今回は新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【アウトソーサー編】をお届けしたいと思います。
事業会社などでアウトソーサー企業に業務を委託しているコールセンターの管理者、アウトソーサー企業で業務を受託しているコールセンターの管理者、双方に知っておいてほしい基本的な用語を解説していきます!知っているとwinwinな関係性が作れたり、円滑なコミュニケーションができたり、委託の選択肢を増やせたりするので是非ご覧ください。

コールセンター管理職が知っておくべき用語シリーズ


(1)人員配置形態の用語

業務をアウトソーサー企業に委託(受託)する中で、目的に合う運営ができる人員配置形態を検討することをおススメします。

シェアード制(ブース・席)

一つのセンター、または一人のコミュニケーターが、複数のクライアント業務を併行して行うこと。シェアード制は複数のクライアント業務を一つのセンター、一人のコミュニケーターで行います。コールの繁閑が激しい業務、コストをできるだけかけたくない場合などに向いている形態です

メリット

  • 安価で短期間で業務を開始することができます。

デメリット

  • 他クライアントとの兼ね合いで必要席数を確保できなかったり、複雑なオペレーションができない可能性があります。
  • セキュリティ要件が高い業務の場合はシェアード制で受けることができない場合もあります。

専属制(ブース・席)

1つのクライアント業務専属で業務を行うこと。専任で人員を中長期的に配置することが可能なため、コールが一定量で安定しており、セキュリティを担保したり、高度なオペレーションを実施した場合などに向いている形態です。

メリット

  • クライアント業務のみを行うため、セキュリティが担保され、独自のオペレーション構築ができるなど柔軟性があります。

デメリット

  • コストがかさみやすくなります。特に人員の採用コスト、専属ブースを作るためのレイアウト工事費用など、イニシャル(初期)コストも多くかかります。

(2)契約形態の用語

業務量、繁閑差、コスト(予算)、求めるKPIや成果などを加味して、双方で協議の上winwinとなる契約形態を決定しましょう。

コール単価

  • インバウンドの場合1件取ると〇円、といった件数に応じた費用形態のこと。
  • コール単価や時間単価と併用して設定されるケースが多い形態です。
  • コール単価は1件取ると〇円、と取った件数に応じて費用が発生するため、コールが鳴らないときの無駄を省くことができます。
  • 一般的にはシェアード制での契約で用いられるケースが多いです。(例外はあります)

時間単価

  • 1時間〇円、といった時間に応じた費用形態のこと。
  • 時間単価は1時間〇円で契約したその時間はクライアントの業務のみを行います。
  • 一般的には専属制での契約で用いられます。
  • 応対品質や営業力などしっかり教育をしたい場合などに向いている形態です。

固定費用制

  • 〇件までは〇円、といった決められた件数に対する費用形態のこと。
  • 既定の件数を超えた場合は次の上限、もしくは超えた分の従量課金となるケースが多い形態です。
  • 固定費用制はコール単価に近いですが、一定規模までの決められた件数までは固定で費用が発生します。仮に1000件まで50万円の固定費用の場合、10件しか取らなくても50万円の費用が発生します。決められた件数に近い数まで委託先にコールを流すことができる場合はコストとオペレーションレベル両方のメリットを得ることができます。

成果報酬制

  • 営業1件獲得毎に〇円、といった決められた成果に対する費用形態のこと。
  • 成果報酬制は営業獲得が最重要指標のコールセンターに向いています。
  • 成果報酬のため委託先アウトソーサー企業も営業を頑張るように社内指導などが積極的に実施されます。
  • 一般的にはコール単価や時間単価と併用して設定され、営業と他KPIとのバランスを取るケースが多いです。

(3)契約書に関する用語

・機密保持契約書(NDA)※必須

機密保持契約書(NDA)とは、機密保持契約書とは、公開していない機密情報を開示する必要がある場合に、その機密情報を第三者に漏洩させないことを約束させる目的で取り交わされる契約のことです。

※NDA:Non-DisclosureAgreementの略一言でいうと、「お互いに機密情報を守りましょう」ということです。

・取引基本契約書※必須

取引基本契約書とは、契約を締結する際に作成される当該契約の内容を表示する文書をいいます。当該契約の当事者が作成したことを証するために、署名や記名押印がなされます。一言でいうと、「こういう契約でお仕事を委託(受託)します」という内容をまとめたものです。

・業務仕様書(SOW)※必須ではないがある方が望ましい

業務仕様書(SOW)とは、サービスや役務の内容や範囲、成果物や指標の目標値、関係者の権限、業務プロセス上の要求事項などを整理した合意文書

※SOW:StatementOfWorkの略一言でいうと、「具体的にこの範囲でこういった業務をこのように実行します」という内容をまとめたものです。

・サービスレベル合意文書(SLA)※必須ではないがある方が望ましい

サービスレベル合意文書(SLA)とは、業務仕様書に基づき、具体的なパフォーマンス指標の目標値を定めた合意文書

※SLA:ServiceLevelAgreementの略一言でいうと、「業務仕様書の内容をこういう目標値で実行します」という内容をまとめたものです。業務仕様書(SOW)、サービスレベル管理文書(SLA)はなくても契約は成立しますが、後で業務や結果に対する認識相違やトラブルを避けるため、可能であれば締結することがおすすめです。

最後に

アウトソーサー企業に業務を委託する管理者の方、受託する管理者の方に知っておいてほしい用語をご紹介しました。難しい用語もありますが、これらが現場での業務実行に大きく影響を与えます。良い関係で双方にとってメリットのある仕事をするためにも、しっかり理解していただけると幸いです。
アウトソーサー企業の管理、クライアントとの折衝、その他のお悩みに関するご相談がございましたら、オンライン無料相談(30分)を行っておりますので、下記よりエントリーをお願いいたします。ご相談、お待ちしております。引き続きコールセンター業務に従事する皆様に活用いただけるブログを書いていければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

コールセンター管理職が知っておくべき用語シリーズ

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記事を書いた人

Cプロデュースコールセンターコンサルタント/アウトソーサー企業、化粧品通販会社等でコンタクトセンターに従事。顧客とのコミュニケーション設計構築から現場運用、委託先パートナー企業の管理を得意とする。

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