新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【生産性編】(2)
こんにちは。コンサルタントの山北です。
今回は新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【生産性編】(1)の続編として【生産性編】(2)をお伝えしていきたいと思います。新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【生産性編】(1)では、1件当たりの平均通話時間(ATT)や平均後処理時間(ACW)、それらを合計した平均対応時間(AHT)など、コミュニケーターがお客様対応を実際に行うときの生産性の用語について触れてきました。今回は、それらの用語を使って、実践的な生産性を導く計算方法をご紹介します。新人管理者の方にぜひ見てほしいと思います。
コールセンター管理職が知っておくべき用語シリーズ
- 新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【生産性編】(1)
- 新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【生産性編】(2)
- 新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【アウトソーサー編】
- 新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【アウトバウンド編】
- 新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【営業力編】
- コールセンター管理職が知っておくべきKPI10選
基本的なコールセンター用語を使って生産性を計算しよう!
新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【生産性編】(1)で触れた1件当たりの平均通話時間(ATT)や平均後処理時間(ACW)、合計した平均対応時間(AHT)やCPHなど、お客様対応を実際に行うときの生産性を見ていれば管理としてはいいんじゃないの?と思われる方もいらっしゃると思います。実は、それだけでは実践的な生産性の管理はできません。では、ここから一緒に考えてみましょう。
練習問題(1)
条件
- あなたは10時から20時まで、1日に10時間稼働するコールセンターで働いているとします。
- そのセンターでは1日に1000件の電話が鳴ります。
- 1時間あたり100件です。
- AHTが6分(360秒)の場合、CPHは10となります。
計算式:3600秒÷360秒(AHT)=10(CPH)
問題
- 1時間あたり100件入電があり、CPHが10とすると、10人いればすべての電話はとれるでしょうか?
回答
- NOです。
解説
- NOである理由は下記2点です。
- コミュニケーターはお客様対応に100%の時間を割けるわけではない(100%稼働するわけではない)
- 電話は一定のタイミングで鳴るわけではない
- 新人コールセンター管理職が知っておくべき用語【生産性編】(1)でお伝えしたお客様対応を実際に行うときの生産性だけでは、お客様からの電話を目標の応答率まで取りきる計画は立てられません。今回はこの上記2点を管理する指標をご紹介していきます。コールセンター全体の生産性管理で最も重要なことは、「実際に1時間で何件取れるの?」を把握することです。
練習問題(2)
では、実際に計算してみましょう。(自分のコールセンターの数字を用意できる方は置き換えて考えてみるのがおススメです。)
条件(A社コールセンター)
- 平均通話時間:7分(保留時間含む)
- 平均後処理時間:2分30秒
- 平均発信準備時間:30秒
- 平均対応時間(AHT):10分(上記1+2+3を合計)
- CPH:6.0
計算式:AHT10分(600秒)/ 3600秒=6.0(CPH) - 稼働率:75%
- 受け待ち率:10%
問題
- A社では、1時間で何件のお電話を取ることができるのでしょうか?
回答
- A社のコールセンターでは、実際に1時間で平均4.05件電話が取れる、という計算になります。
- 計算方法:CPH×稼働率×(100%-受け待ち率)
- 計算式 :6.0×75%×(100%-10%)=4.05件
解説
- まず、CPH6.0はAHTが10分なので(100%お客様対応だけすれば)1時間で6.0件とれる、ということになります。
- 稼働率は小休憩や研修などで非稼働業務時間が25%あり、お客様対応に充てられる稼働業務時間の過去実績が75%となります。
計算式:6.0×75%=4.5件 - 受け待ち率10%については、稼働業務時間のうち、お客様の電話を待っている時間(お客様対応をしているわけではない)なので、100%の稼働時間から10%を引きます。
計算式:4.5件×(100%-10%)=4.05件
- CPH6.0あるセンターでも、稼働率と余剰率次第で実際に電話を取れる件数は3分の2程度になることはよくあることです。
- センターの生産性管理を行うときには、実際に1時間で何件取れるのか?を忘れずに計算し、現状把握をしましょう。
- 計算式が理解できていれば、通話時間を30秒縮められたら1時間にどれくらい取れる件数が増えるのか?も計算ができるようになります。
最後に
今回はインバウンドセンターの管理者になった方に、2回に渡って最初に知っておいてほしい生産性用語をご紹介しました。数字が多くて難しい、、と感じた方もいらっしゃると思いますが、一つ一つの計算は四則演算(+-×÷)のみしか使わないシンプルなものです。コールセンターの土台となる生産性を早い段階でしっかり理解ができれば、現場で行う改善活動も実行しやすくなります。管理の基本として理解いただけると嬉しいです。
生産性の具体的な管理の方法や研修、その他のお悩みに関するご相談がございましたら、オンライン無料相談(30分)を行っておりますので、下記よりエントリーをお願いいたします。ご相談、お待ちしております。引き続きコールセンター業務に従事する皆様に活用いただけるブログを書いていければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
コールセンター管理職が知っておくべき用語シリーズ
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記事を書いた人
Cプロデュースコールセンターコンサルタント/アウトソーサー企業、化粧品通販会社等でコンタクトセンターに従事。顧客とのコミュニケーション設計構築から現場運用、委託先パートナー企業の管理を得意とする。
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