コールセンターミッションの重要性
こんにちは。コンサルタントの山北です。
みなさんが運営されているコールセンターに「コールセンターミッション」はありますか?あるという方、そのミッションを何も見ずに言えますか?弊社ではコールセンターの運用改善、応対品質の向上、業務効率化など様々ご支援をしていますが、ご支援している企業の担当者の方と一緒に改善を進めていくうちに、よく言われる言葉があります。それが、「何を目指しているのか分からなくなってきました」という言葉です。この言葉が出てくる企業で良くあるパターンが「コールセンターミッションがない」というものです。コールセンターミッションはどういう価値を持ち、何が大切なのかを今回は書いていきたいと思います。
コールセンターミッションとは?
コールセンターミッションとは、一言でいうとコールセンターが目指すあるべき姿を具体的な言葉にしたものです。コールセンターミッションと呼ばず、コールセンターのクレド、コールセンターの行動指針という呼び方をしている企業もあります。(厳密にはそれぞれ言葉の定義や意味合いは本来違いますが、各企業ごとの解釈や風土で同じ意味合いで使っているケースが多いです。)コールセンターのミッション=コールセンターが目指すあるべき姿ですが、これがないコールセンターにありがちな傾向は以下のようなものがあります。
コールセンターミッションがないコールセンターの傾向
- 何のため、誰のために働いているか分からない、と辞めていく人が多い
- 応対品質に関する考え方がバラバラで、考えの違いによる揉め事が起こる
- 方針や改善の取り組みが短期的にころころ変わり、一貫性がない(結果として、成果が出ない)
- コミュニケーターが指導される内容に納得しない
これらを総合的にまとめると、共通の目指す姿やゴールがないため、働いている人が同じ方向を向いていないということです。コールセンターミッションを作り、浸透させていくことで目指す姿が共通認識となり、上記に挙げたようなトラブルや問題は起こりづらくなります。言い換えると、コールセンターミッションは迷ったり悩んだときに「立ち返るべき原点」とも言えます。働く中でお客様に提供する価値、応対品質を上げてどんな価値を作るのか、なぜ指導をしているのか、様々な場面でコールセンターミッションに立ち返り、すべては掲げたミッションを達成するためであるということをコールセンターで就業する全員が理解する必要があります。
コールセンターミッションを掲げるときに大切なこと
コールセンターミッションは自分たちだけで作ればよいわけではありません。作るとき、もしくは見直すときのポイント3点をまとめます。
1.企業理念と連動すること(コールセンターミッション=企業理念ではない)
企業は商品やサービスを提供しますが、それらは企業理念に基づいて作られることが原則となります。コールセンターも事業活動の一環ですので、同じく上位に企業理念が存在します。「じゃあ企業理念をそのままコールセンターミッションにしてはいけないの?」という質問をいただくこともありますが、企業理念は例えば「社会に貢献する」といった、より広く概念的なものが一般的です。これをコールセターミッションとして掲げても、コールセンターというお客様と会話をする仕事の特性上、具体的なあるべき姿のイメージができずミッションの役割を果たすことができないケースがほとんどです。企業理念を理解し、お客様と会話をする仕事であるコールセンターに合うミッションを作ることが大切です。その場合、コールセンターミッションは企業理念より具体的な言葉となることが一般的です。
2.コールセンター内(組織内)で全員が当事者と感じられること
コールセンターといえばお客様対応をするコミュニケーターの仕事のイメージが強いと思いますが、現場管理をするSVや、間接的な業務(QA担当、人員管理、オペレーション管理、ナレッジ管理など)もコールセンターを機能させる大切な役割です。コールセンターミッションはそうしたコミュニケーター以外のメンバーも当事者として理解、納得できるようなものにすることが大切です。コールセンターミッションだけでは具体的な言葉にできない場合は、コールセンターミッションをより具体的にした行動指針もセットで作ってもよいでしょう。行動指針とは、コールセンターミッションを果たすために具体的にどういった行動をするか、ということをまとめたものです。(行動指針は3~10個程度作られることが多いです。)
行動指針の具体例
- お客様の立場になってお話を伺います
- 日々変わるニーズに対応できるよう、必要な知識を日々習得するよう努めます など
3.お客様に提供する価値を明確にすること
コールセンターミッションには、お客様対応を通してどのような価値を提供するかを入れることが望ましいです。企業理念、取り扱う商品や商材、お問い合わせの内容に対してコールセンターは対話を通してどのような価値をお客様に提供することがあるべき姿でしょうか?お客様に提供すべき価値はコールセンターごとに違います。丁寧に話す、しっかり話を聴く、といった内容は手段・手法でありコールセンターのミッションではありません。それら手段・手法を通してどんな価値をお客様に届けられるか?を言葉にしてみてください。
この3点を踏まえて作られたコールセンターミッションは、コールセンターで働くみなさんを導き、同じ方向を向いて仕事ができる環境作りに必ず一役買ってくれることと思います。
掲げるだけではダメ!浸透活動を必ずやりましょう
素晴らしいコールセンターミッションができても、作って終わりになっては意味がありません。コールセンターに関わるみなさんが理解し、浸透してこそ効果を発揮します。コールセンターミッションだけに言えることではないですが、コールセンターにおける浸透活動は「五感を刺激すること」が非常に大切です。浸透に効果的な対策をいくつかご紹介します。
1.朝礼で唱和する
一番古典的ですが、最も効果的なのが唱和することです。朝礼の最後にコールセンターミッションの唱和を全体ですることで、朝の声出しにもなりますし自然と覚えます。五感の口と耳を刺激するおすすめのやり方です。
2.コールセンターミッションのポスター、カードを作成する
コールセンターミッションを視覚的に定着させる方法としてこの二つは有効です。ポスターはコールセンター内のどこからでも見える場所に掲示しましょう。また、カードはストラップに入るサイズでコールセンターのミッションや行動指針を入れて作成をお勧めします。ストラップの見える位置にミッションのカードがあることで、定期的に見る機会を作ることも大切です。
3.デスクトップ・スクリーンセーバーの画像として設定する
コールセンターで必ず使うパソコンのデスクトップやスクリーンセーバーの画面にコールセンターミッションを画像として設定する方法も有効です。こちらも見る頻度が高く、習慣的に目にするため定着しやすくなります。
4.コールセンターミッションを実現するためのディスカッションを行う
コールセンターミッションについてわざわざ自分で考えを深めようとする人は少ないので、定期的にコールセンターミッションを実現するためにどんな取り組みをしているか、何ができるかといったディスカッションをすることも有効です。ディスカッションからコールセンターの新たな課題が見つかるケースもあるため、ぜひ一度やっていただくことをおすすめします。
どれもアナログなやり方に感じるかもしれませんが、アナログな手法は活用次第で非常に有効に作用します。作って満足にならないよう、定着活動を実践してみてください。
最後に
今回はコールセンターミッションの重要性というテーマで書いてきました。コールセンターミッションって本当に必要?と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、活気があり、働いている人の充実感が感じられて、実績が出せるコールセンターには必ずと言っていいほどコールセンターミッションは存在しています。それはコールセンターミッションがあることで自分たちが目指すべき姿、自分たちの価値を自覚できているということが大きな要因の一つだと思います。
ここまでコールセンターミッションを作るポイントなどを書いてきましたが、実際に作ろうと思うと難しい、時間がかかるというケースもあると思います。Cプロデュースではコールセンターのミッション策定~ミッションを軸としたKPI策定や応対品質の評価基準作成など、ご支援実績が多数あります。コールセンターのお悩み、ご相談がございましたら、オンライン無料相談(30分)を行っておりますので、下記よりエントリーください。些細なことでもお気軽にご相談お待ちしています♪
引き続きコールセンター業務に従事する皆様に活用いただけるブログを書いていければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
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記事を書いた人
Cプロデュースコールセンターコンサルタント/アウトソーサー企業、化粧品通販会社等でコンタクトセンターに従事。顧客とのコミュニケーション設計構築から現場運用、委託先パートナー企業の管理を得意とする。
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