コールセンター朝礼のやり方【基本編】
こんにちは!コンサルタントの山北です。
コールセンターの一日は「朝礼」から始まります。これまでたくさんのコールセンター(インハウス、アウトソーサー)の朝礼に参加させていただいておりますが朝礼がない企業はほとんどありません。(ほとんど、、と書いた通り、中には実施されていない企業も稀にあります。)しかし、朝礼のやり方はコールセンターによりさまざまです。やり方に絶対的な正解はない、というのは当然ではありますが、さまざまなコールセンターを見てきて感じることは良いコールセンターには共通している「朝礼の基本の型」があるということです。
コールセンターにとって朝礼がどのような意味を持つのか、運用の質が高い、成果が出せる、離職が少ない、人間関係が良いなどの、「良いコールセンター」の朝礼の特徴を今回はご紹介していきたいと思います。
なぜコールセンターには朝礼が必要か?
そもそも、朝礼はコールセンターに関わらず企業であれば実施されていることが多いと思います。そういう意味では当たり前のように「働くうえで朝礼はやるもの」と認識されている方もいらっしゃるかもしれませんが、改めて「コールセンターで朝礼を行う意味」がどこにあるのか、主要な意味をご紹介します。
コールセンターで朝礼を行う意味
- 業務に関わる周知・情報を共有し浸透を図る
- コミュニケーターのコンディションを知る
- 声を出して喉を開き、顧客対応に備える
- コミュニケーターの仕事のスイッチを入れる
- コミュニケーション、関係性作り
1つずつ解説していきます。
業務に関わる周知・情報を共有し浸透を図る
コールセンターの業務に関わる重要な周知、注意事項などは毎日のように発生したり、変化したりします。掲示板やFAQなどでも周知はもちろんされますが、これらは見落としてしまうことがありますので重要な情報をコミュニケーター全員に管理者から直接話をし浸透させるという意味があります。
コミュニケーターのコンディションを知る
コロナになりビデオ会議ツールを使って朝礼をするコールセンターも増えてきましたが、対面でもビデオ会議でも、朝礼の時はコミュニケーターと管理者が顔を合わせられる場にすることが重要です。コミュニケーターで体調が悪そうな人がいないか、ぼーっとしている人がいないかなど、顔を見ることでコンディションを把握することができます。
声を出して喉を開き、顧客対応に備える
朝礼をやっているコールセンターの多くは、コールセンターミッションやオープニングトークなど、「全員での唱和」を取り入れていることが多いです。唱和をやっていなくても、朝礼開始時の「おはようございます。」、終了時の「よろしくお願いします。」など、あいさつでは声を出すと思います。朝から一言も言葉を発することなくお客様対応をスタートすると、喉が開かず声が出ません。唱和やあいさつの声を出すことで、スムーズにお客様対応に入ることができます。
コミュニケーターの仕事スイッチを入れる
もし朝礼がなかった場合、コールセンター開始時間になっても頭が切り替わらず、ぼーっとしたままお客様対応を開始したり、ぎりぎりに出勤し準備が間に合わず「受付可能状態」にしないコミュニケーターも出てくるかもしれません。朝礼に参加し、周知を聞き、唱和をし、「よろしくお願いします」とあいさつをして朝礼を終わることで、「よし!今日もやるぞ!」とコミュニケーターの仕事スイッチが入ります。
コミュニケーション、関係性作り
これは何をやるかによりますが、朝礼は一体感を作る、コミュニケーター同士の関係性を作ることにも活用できます。例えば、二人一組でコミュニケーター役とお客様役に分かれ周知で展開されたトークの練習をする、チームワークを高めるためのチーム対抗ゲームをする、などがあります。朝礼なので長く時間は使えませんが、数分でできるようなプチゲームやトーク、表彰や事例紹介などをすることでコミュニケーター同士が会話したり、人となりを知ることがコミュニケーションの活性化につながります。
このように、当たり前のようにやっている朝礼ですが、さまざまな効果があるので改めて朝礼の価値、意味を考えていただければと思います。
良いコールセンターがやっている朝礼のやり方とは?
前述した通り、良いコールセンターの朝礼のやり方には共通した特徴(基本の型)があります。
朝礼のやり方
- 管理者が事前準備をしっかりしている
- 開始時間、終了時間を守る
- 朝礼の進め方が決まっている
- 全員声を出す
- 管理者のインストラクションスキル指導がされている
- コミュニケーター参加型になっている
こちらも一つずつ解説していきます。
1. 管理者が事前準備をしっかりしている
仕事は準備が8割、と言いますが朝礼も同様です。朝礼の時間は一般的に10分~15分程度が多く、時間も限られています。業務周知が多くある場合すべて話すと時間が足りなかったり、話す内容がまとまっていないと伝わらなかったりします。そのため管理者は以下のポイントを押さえて事前に準備をする必要があります。
・朝礼の流れを把握しているか
(覚えている、もしくは進行表などで理解している)
・周知の数・優先順位・話す内容は明確にまとまっているか
・時間配分ができているか、時間内に収まる想定ができているか
(収まらない場合は周知の数を限定するか、詳細は掲示板を~など、ダイジェスト版で説明する)
・心の準備をしておく
・翌日への引継ぎ
(管理者用掲示板やエクセルなどで管理)
不安な気持ちで朝礼の進行をすると周知が伝わらない、コミュニケーターのモチベーションが下がる場合もあるので、「よし!やれる!」と思えるよう準備をしましょう。
2. 開始時間、終了時間を守る
当たり前のことですが、開始時間、終了時間を守るようにしましょう。特に開始時間を守ることは必須です。開始時間にスタートできるよう、開始1分前には準備を終え、30秒前くらいから全体への声かけを開始しましょう。開始時間を守らないコールセンターは全体的にだらけており、雰囲気もゆるく成果も出ないケースがよくあります。また、参加に遅れる人がいないよう朝礼担当以外の管理者はフロア全体に散って声をかけるなど、全体でスムーズに開始できるよう協力しましょう。
3. 朝礼の進め方が決まっている
こちらも当たり前のように感じると思いますが、朝礼の進め方が管理者によってバラバラという会社は意外と多いです。話を聞くコミュニケーター目線で考えると、話す順番や進め方に統一感がなければ、「管理者が好き勝手にやっている」「いつ終わるの?」といった認識を与えてしまい、一体感が生まれない、業務開始のスイッチの役割を果たさないなどのデメリットが出てきます。
基本的な進め方を明文化し、管理者間でルールとして共有しましょう。慣れるまでは進行表を作り、手元に持って進行するとスムーズに定着していきます。
一般的な朝礼の進行内容
- 開始のあいさつ
「おはようございます。〇月〇日の朝礼をはじめます」など - 業務周知・情報共有
「本日の周知は〇点あります。まず1つ目は~」 - 唱和・声出し
理念やセンターミッション、オープニングトークなど - その他
表彰や事例共有、トーク練習、プチゲームなど - 締めのあいさつ
「本日の朝礼は以上です。本日も一日よろしくお願いします!」
→全員で「よろしくお願いします」で終わるなど
コールセンターの業務特性などに合わせて、最適な進め方を決めて行きましょう。
4. 全員声を出す
前述のとおり、お客様対応をスムーズに開始できるよう「あいさつ」+「唱和」を取り入れることをおすすめします。「朝礼担当が発声」→「全員で発声」のやり方が一般的ですが、曜日や日ごとに「コミュニケーターが発声」→「全員で発声」というやり方もおすすめです。
5. 管理者のインストラクションスキル指導がされている
朝礼におけるインストラクションスキルは「分かりやすく、伝わるように説明ができる」ことが最重要です。業務周知で重要なポイントが分かるよう簡潔にまとめて話せるか、重要な点を粒立てしコミュニケーターにインプットできるかが問われます。コールセンターにおいて分かりやすい説明は朝礼以外でも役に立ちますので、管理者の育成プログラムにインストラクションスキルの研修や指導を入れるとよいでしょう。
6. コミュニケーター参加型になっている
朝礼は管理者の周知を聞いているだけでは集中しないコミュニケーターも出てきます。できるだけコミュニケーターが参加できるやり方を工夫しましょう。朝礼でのトーク練習やゲームなどの参加型もありますし、または、「後ろの〇〇さん、声は届いてますか?」や「今の周知の大事なポイント分かりましたか?〇〇さん」など質問を投げかけるだけでも参加させることができます。(学校で当てられるのと同じですね。)また、4. の全員声を出すというのも参加方法の一つです。問いかけに答える、声を出すなどして「聞いているだけ」にならない朝礼の進め方をしましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?今回はコールセンターの朝礼というテーマで書きましたが、「たかが朝礼、されど朝礼」です。コールセンターにはさまざまな課題やお悩みがあると思いますが、朝礼のやり方を変えるだけで雰囲気が変わり良くなることもあります。改めて、今の朝礼のやり方を見直すきっかけになれば何よりです。
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引き続きコールセンター業務に従事する皆様に活用していただけるブログを書いていければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
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記事を書いた人
Cプロデュースコールセンターコンサルタント/アウトソーサー企業、化粧品通販会社等でコンタクトセンターに従事。顧客とのコミュニケーション設計構築から現場運用、委託先パートナー企業の管理を得意とする。
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