【実践!電話応対音声付き】抑揚の付け方と滑舌トレーニング方法
こんにちは。QA(応対品質)担当の橋本です。
このブログではコールセンターでよくある応対をもとに、「のぶ子さん育成プロジェクト」としてご紹介しています。どうしたらオペレーター・のぶ子さんがスキルアップできるのか、ぜひ一緒に考えてみてください!
目次
実際の音声を聞いて、コールセンター応対品質の改善をやってみよう!
食品の通信販売を行うコールセンターで働く、新人オペレーター・大木のぶ子さん(仮名・22歳)
現在勤続6カ月。新人研修を終え、業務にも少しずつ慣れてきました。
のぶ子さんの実際の音声を聞いて、どのような改善ポイントがあり、どのようにアドバイスができると思いますか?
改善前のオープニングトークの音声を聞いてみましょう!
音声を聞いた結果の改善ポイント3つをピックアップ!
いかがでしょうか。新人研修を終えて業務にも少しずつ慣れてきた頃ののぶ子さんの音声をきいていただきました。まずはご自身で改善ポイントは見つかりましたか?それでは、改善ポイントを3つに分けてご説明します。
- 【改善ポイント1 】明瞭に話す
- 【改善ポイント2】抑揚をつける
- 【改善ポイント3 】語尾の癖をなくす
オペレーターに指導したところ、、、
オペレーターと、こんなやりとりはありませんか?
管理者「なんだか暗いし棒読みになっているから、もっと気持ちを込めて」
のぶ子さん「はい…(ちゃんとやってるのに…)。」
管理者「癖が強いので、もっと感じよくして。」
のぶ子さん「どうすれば…。」
オペレーターに、気持ちが伝わる表現方法を説明するのはとても難しいですよね。抽象的な指導では、何をどうしたら良いのか、自分ではうまくやっているつもりなのに…と困惑してしまうことがよくあります。
応対品質を改善させるためには、改善するポイントと一緒に、改善方法を的確に伝えることが重要となります。では、一緒に改善内容を確認していきましょう!
【改善ポイント1 】明瞭に話す
C食品のオペレーター・のぶ子さんの音声、文章にすると実は「あでんわありあとーおざいます」と言っています。
普段から日本語を話している方にとって、聞き取りにくい言葉でも、慣れている言葉は気づかないうちに脳内で予測して変換しています。のぶ子さんにとっては社名も普段から話している言葉ですが、お客様にとっては聞き取りにくく、話しにくい印象のため不安になるかもしれません。
聞き取りにくい原因として、以下の「口の開き」と「舌の動き」がうまくできていない可能性が考えられます。
【聞き取りにくい原因1】「口の開き」が不十分
日本語は母音があいうえおの5つに分かれています。「あ」は口を大きく開き、「い」は口を横に、「う」は口を小さくし、「お」は口を縦に開く必要があります。「い」と「お」、「あ」と「う」は口の開き方が対極にあり、この音が連続する際はさらに意識をして口を大きく動かすと明瞭な発声になります。
【聞き取りにくい原因2】「舌の動き」が不十分
唇の動き、歯の動き、のどの開きなど、顔にある様々な筋肉で音を出しています。しかし、「ラ行」が「ダ行」に聞こえてしまうなど、人によって発音しにくい音があります。
オペレーター自身でトレーニングしやすいのが「舌の筋肉」です。「滑舌」という言葉があるように、滑らかに舌を動かすことで不明瞭な発声が大きく改善できます。
改善方法1▶業務開始前のウォーミングアップに
唇をプルプル震わせる(リップロール)
口の動きを良くし、適切な息の量で発声できるようになる
巻き舌の状態でトゥルルルと震わせる(タングドリル)
舌の筋肉をほぐし、滑舌をよくする
改善方法2▶言葉が不明瞭になりやすいオペレーター向けトレーニング
以下の方法で、スクリプトを読んでみてください!
方法1 通常の声量で練習する
- ひそひそ声では舌の動きが通常と異なるので、お客様と会話をする時と同じ声量での練習で効果がアップ。
- 声量が小さい方は、少し離れたところにいる人に話すイメージを持つとGOOD。
方法2 口を大きく早く動かす
- 普段よりオーバーに口を大きく動かし、早口言葉のようなスピードで読むと筋肉に負荷がかかり、滑らかに話せるようになる。
- 早口にすることで発声が苦手な言葉を把握できるため、苦手な言葉は意識的にスピードを落としてはっきり発声すると、より聞き取りやすくなる。
【改善ポイント2】抑揚をつける
抑揚がない淡々とした話し方は事務的な印象を与えたり、お客様の興味や関心を惹きつけることができず、内容が伝わりにくくなりがちです。ここでは、「高低」「間」「緩急」の抑揚をつける方法をお伝えします。
①高低
日本語の特徴としてどの言葉にも高い音と低い音があり、これをアクセントと呼んでいます。抑揚がないと言われる方は、この高低差が小さいことが多いです。よく「明るい声=高い声」と思われがちですが、声が低い方や男性でも、自分の出しやすい音域で高低差をつけると明るい印象で話すことができます。
②間
日本語は文の切れ目で意味が変わってきます。例えば、「本日お届けの商品についてお電話しました」は「本日、お届けの商品についてお電話しました」と「本日お届けの、商品についてお電話しました」では意味合いが違ってきます。
また、「いつもありがとうございますご注文をお伺いします」と間のないお礼やお詫びは気持ちが伝わりにくくなります。耳できき取った言葉を理解するのために時間が必要ですが、必要な時間は人それぞれであるため、会話のテンポに合わせることでお客様は話しやすくなります。
③緩急
似ている言葉、専門用語などの聞きなれない言葉は、ゆっくり伝えることで聞き手の負担を減らせます。自社サービスの名称などはお客様にとってなじみがない可能性があり、注意が必要です。
また、「お待たせいたしました」という言葉はゆっくり伝えてしまうと、お客様をさらに待たせることになるのでテンポよく伝えるなど、場面に応じて緩急をつけると良いです。
【改善ポイント3】語尾の癖をなくす
印象を損ねる話し癖として、語尾伸びと語尾上がりがあります。
【語尾伸び】
「~ですー」「~まーす」「~でぇー」「~にぃー」など、語尾をのばすことで、馴れ馴れしさや頼りなさを印象付けてしまいます。
「です」「ます」の「す」は、本来、無声化といって母音を発音しません。ローマ字で表記すると、「des」「mas」のように語尾を短くすると、「desu」「masu」と話すより信頼感をプラスすることができます。語尾伸びの癖がある方は「、」や「。」の箇所で口を閉じると、癖を抑えることができます。
【語尾上がり】
国民的アニメのオープニング、「サザエでございます!」と語尾を上げていますよね。元気さを感じる一方、落ち着きがない印象や幼い印象を与え、電話応対ではおすすめできません。通常、肯定文の語尾は下げ、「~ですか?」など疑問形の時に語尾を上げると、丁寧さや信頼感のある話し方になります。気を付けたいのは「弊社のサービス?について、ご説明?いたします」など常に疑問形のトーンで、自信のない様子が伝わりきいている方を不安にさせる可能性があります。トーンに気を付けて通話音声をチェックしてみてください。
改善後のオープニングトークの音声を聞いてみましょう!
いかがでしょうか。コールセンターでよくある応対をもとに、今回は声の印象の改善ポイントをご紹介しました。以下の改善後の音声は改善例の一つとしてご参考になれば幸いです。
最後に
声は十人十色です。オペレーターに合った表現方法を身につけることで、説得力を増し、信頼感や安心感のある応対に繋がるでしょう。
Cプロデュースでは応対品質評価・改善、研修やミステリーコールを実施しておりますので、ぜひお問い合わせください。その他にもコールセンターに関するご相談がございましたら、オンライン無料相談(30分)を行っております。下記よりエントリーをお待ちしております。
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記事を書いた人
株式会社Cプロデュース 応対品質担当/前職では企業PR動画への出演やレポーター、イベント司会を経験。Cプロデュースに入社後は弊社コンサルタントのアシスタントを経て、現在はミステリーコールや応対品質評価業務に従事。週末はブライダルMCとして活動中。
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