トークスクリプト、アナログからデジタルへ?そのメリット・デメリット

トークスクリプト、アナログからデジタルへ?そのメリット・デメリット

こんにちは。コンサルタント兼研修講師の井筒です。 前回のブログでは暑い、暑いと書いていましたが、10月も近くなると夜風が涼しくなりましたね。 前回記事では、私たちのコンタクトセンターの運用は古い!?他社の運用を知る方法をお伝えしました。 それでは、実際にコンタクトセンターでは本当にDXが進んでいるのか? 今回も前回に引き続き、お客様応対に必要なツール類の使用からコンタクトセンターのオペレーションに関わるツールの使用・管理についてみて参りましょう。

コンタクトセンターで利用するツールの課題

先日、複数の拠点を持つBPOセンターを訪問したところ、業務によって紙とデジタルの両方の資料が併用されていました。デジタルで管理している業務では、複数のアプリやタブを開きながら作業しているオペレーターが多く見られました。これは、顧客情報が増え、必要な情報がすぐに探し出せないために起こるよくある問題です。多くのコンタクトセンターで共通する課題と言えるでしょう。

トークスクリプト、アナログ or デジタル?

紙のトークスクリプトのメリットとデメリット

一方でトークスクリプトを含む資料の多くを紙で運用している業務もありました。トークスクリプトにはオペレーターの手書きで追加項目や、大切な個所には蛍光ペンで線が引かれ、一目で分かりやすい工夫が施されていました。同様に付帯する資料にも、補記がなされ、大切なところや自身が忘れがちな個所には蛍光ペンでの強調やカラフルなポストイットが張られミス・漏れのない工夫がなされていました。

紙トークスクリプトのメリット

  • 直感的な操作性:
    筆記具一つで自由に書き込み、修正できるため、アイデアがどんどん浮かびます。
  • 視覚的な整理:
    マーカーや色分けで視覚的に情報を整理し、一目で内容を把握できます。
  • オフラインで完結:
    インターネット環境に左右されず、いつでもどこでも確認できます。
  • 集中力向上:
    画面の光を気にせず、文字に集中できるため、プレゼン内容への没入度が高まります。

紙トークスクリプトのデメリット

  • 持ち運びの不便さ:
    たくさんの資料が必要な場合、かさばってしまいます。
  • 修正の手間:
    大きな修正が必要な場合、書き直す手間がかかります。
  • 紛失のリスク:
    誤って破棄したり、紛失してしまう可能性があります。
  • バージョン管理が難しい:
    複数のバージョンを作成した場合、どれが最新版か分からなくなる可能性があります。

デジタルのトークスクリプトのメリットとデメリット

また、紙のトークスクリプトとは違い、デジタルのトークスクリプトにもメリットデメリットがあります。考えてみていきましょう。

デジタルトークスクリプトのメリット

  • 軽量化:
    スライド資料と一体化させたり、クラウド上に保存することで、持ち運びが楽になります。
  • 修正の容易さ:
    コンピュータやタブレットで簡単に修正・追加ができます。
  • 共有・コラボレーション:
    チームで共有し、共同で作成・編集できます。
  • 検索機能:
    キーワードで検索し、必要な情報に素早くアクセスできます。

デジタルトークスクリプトのデメリット

  • 操作ミス:
    操作ミスでデータが失われる可能性があります。
  • バッテリー切れ:
    バッテリー切れで利用できなくなるリスクがあります。
  • 視界の妨げ:
    画面を見ながら話すため、聴衆との目が合いづらくなる可能性があります。
  • 初期費用:
    専用のソフトウェアやデバイスが必要な場合があります。

コンタクトセンターで利用するデジタルツールの解決策

私もSV経験があるので、SVとしては管理がしやすい方法・やり方を優先的に考え実行し行くことが多いかと思います。しかし、実際に使うのはオペレーターです。オペレーターが使い難い、分かりにくいなら、オペレーターのスキルに合わせた使い勝手に沿うことが大切です。また、コンタクトセンターシステムを使うにあたっては、オペレーターのスキルを確認する必要があり、スキルが不足している場合は、教育・研修する時間が必要です。
この問題に対するデジタルツールの解決策は、大きく分けて以下の3つの視点から検討できます。

1. システムの統合、一元化、連携強化

  • CRM(顧客関係管理システム)の導入・活用:
    顧客情報を一元管理し、オペレーターが必要な情報をワンストップで取得できるようにします。
  • 各種ツールの連携の強化:
    顧客情報管理システムと、コールセンターシステム、知識ベースなどを連携させることで、シームレスな情報共有を実現します。
  • API連携の強化:
    異なるシステム間のデータ連携を効率化し、情報連携の遅延やエラーを防止します。

2. ユーザーインターフェースの改善

  • シンプルな画面設計:
    オペレーターが迷わずに操作できるよう、直感的な画面設計を心がけます。
  • 必要な情報への迅速なアクセス:
    よく利用する情報へのショートカットキーや、検索機能の強化を図ります。
  • カスタマイズ機能の提供:
    オペレーター個々の作業スタイルに合わせて、画面レイアウトや機能のカスタマイズを可能にします。

3. 情報整理と知識管理

  • マニュアルのデジタル化:
    紙のマニュアルをデジタル化し、検索機能を付加することで、必要な情報を迅速に探し出せるようにします。
  • ナレッジベースの構築:
    よくある質問や解決策を蓄積し、オペレーターが参照できるようにします。
  • 定期的な情報整理:
    不要な情報や古い情報を削除し、情報の鮮度を保ちます。

最後に

最先端と言われるDX化をコンタクトセンターが取り入れ、最先端のコンタクトセンターにバージョンアップしたとしても、管理する情報が豊富でピンポイントで欲しい情報ににたどり着かなければ、お客様を長く待たせる結果となり、お客様満足に繋がりません。お客様がコンタクトセンターに期待する代表的な欲求は、「すぐに繋がること」「知りたいことを待たせず知り得ること」そして「自分にとって分かりやすいこと」です。

コンタクトセンターのDXは、一概にデジタル化を闇雲に進めることが最善というわけではありません。重要なのは、コンタクトセンターが掲げている目標に向かって、オペレーターの業務効率を向上させ、顧客満足度を最大化することです。そのためには、それぞれの企業の状況や顧客の特性に合わせて、最適なツールや手法を選択することが重要です。今後、コンタクトセンターは、AIやRPAなどのテクノロジーを活用し、より高度な顧客対応を実現していくことが期待されます。しかし、テクノロジーだけでは解決できない、人間ならではの共感や柔軟な対応も依然として重要です。

Cプロデュースではコンタクトセンターのアセスメントを提供しています。コンタクトセンターの現状の健康診断を行い、センターに合った最適の環境(ハード面・ソフト面)のご提案を行います。自社センターとして最適化されているか。お客様のためのセンター運用できているか、現状を知りたいなど、お悩み、ご相談がございましたら、オンライン無料相談(30分)を行っておりますので、下記よりエントリーください。些細なことでもお気軽にご相談お待ちしています。

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記事を書いた人

Cプロデュースコールセンターコンサルタント兼研修講師/外資系コールセンター・大手BPOに従事。小売り・金融業にも知見あり。新規教育研修の立ち上げ・人材育成課題解決に向けた取り組みを得意とする。

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